親が見るのは「結果」ではなく「通い続ける姿」― 道場と家庭の役割分担

龍成塾事務局

稽古中、子どもはよく、見学席のほうをちらりと見ます。技を決めた瞬間、しくじった瞬間、ふとした合間に、親御さんの顔を探しています。本人は気づいていないかもしれませんが、子どもは驚くほど、親の表情を見ています。

ですから保護者の方には、ときどきこうお願いしています。どうか、技そのものより、過程に目を向けてあげてください、と。

家に帰ってから「あの蹴りは高さが足りない」「もっと声を出さないと」と技術の話をされると、子どもは少しずつ、空手を「親に評価される場」だと感じるようになります。すると、うまくいかない日が、家に帰りたくない日になってしまいます。技術を直すのは、道場の私たちの仕事です。そこは、どうか任せてください。

ご家庭に担っていただきたいのは、別の役割です。「今日も行けたね」「最後まで頑張っていたね」。結果ではなく、通い続けている姿そのものを認めてあげてほしいのです。

道場と家庭は、役割が違います。道場は、痛みや悔しさを受け止めながら、少し厳しく鍛える場所です。家庭は、その子が安心して帰ってこられる場所です。鍛える場と、帰る場。この二つがそろっているからこそ、子どもは思い切って道場で挑戦できます。帰る場所が揺らいでいたら、人は前になんて出られません。

うまくなる子の後ろには、たいてい、結果を急がない親御さんがいます。勝った負けた、受かった落ちたに一喜一憂しすぎず、「続けていること」をどんと構えて見守っている。その静かなまなざしが、技以上に、子どもを強くしていきます。

道場でしっかり鍛えますので、ご家庭では、どうか安心して帰れる場所でいてあげてください。私たちは、その分担でお子さんを育てています。

記事URLをコピーしました