上達の主役は、いつもあなた自身
最後に、いちばん大切なことをお伝えします。空手が上達するかどうかは、結局のところ、自分自身にかかっています。
誰かが秘密の奥義を授けてくれて、ある日突然強くなる、などということはありません。優れた指導書を読んだだけで技が上がることもありません。私が書いた本も、道場での私の言葉も、それ自体があなたを強くするわけではないのです。稽古に通い、身体を動かし、自分の頭で考え、また稽古する。その繰り返しを、自分の意志で続けること。上達の道は、それ以外にありません。
これは厳しい話のようでいて、実はとても希望のある話だと、私は思っています。なぜなら、上達の主導権は、いつも自分の手の中にあるということだからです。才能や環境のせいにする必要はありません。続けた人が、続けた分だけ深くなる。空手はそういう世界です。
指導者の役割は、道を照らす灯りになることです。どこに気をつければよいか、何が足りないのかを示すことはできます。けれど、その道を実際に歩くのは、自分自身です。灯りは、道そのものではありません。
お子さんに対しても、私たちは「やらせる」のではなく、「自分でやろうとする」気持ちを育てたいと考えています。言われたからやる稽古と、自分で課題を見つけて取り組む稽古とでは、同じ時間でも伸びがまるで違います。負けて悔しい、もっとうまくなりたい――その小さな火種を、子ども自身の中に灯すこと。それが、私たちのいちばんの仕事だと思っています。主役は、いつでもあなたです。道場は、その挑戦をいつでも待っています。
